コンピューターと人間。2つの業界を深く知った経験からお話しします。
私は現在、講師・コーチ・トレーナーとして主に活動していますが、キャリアはコンピューターとLSI(大規模集積回路)のエンジニアとしてスタートしました。
簡単にまとめると、
- 1981年(中学生):初めてパソコンに触れる
- 1986年(大学生):電子情報工学を専攻
- 1991年:新卒で大手電機メーカーに就職
- 1995年:独立し、受託ソフトウェア開発会社を創業
多感な時期を、コンピューター業界の歴史と共に過ごしてきました。
そしていくつかの事業を経験した後、2010年に転換期を迎えます。
自分の人生計画には全くなかったことですが、人材育成、講師、コーチとして「共育」の分野に携わることになったのです。
人間と深く関わるこの業界でのキャリアは、2020年で10年になりました。
おかげで、機械・コンピューター・AIと人間、両方に深く関わる貴重な経験を重ねることができました。
ユニーク(唯一無二)であることは、ものすごい価値
多くの方は、「自分が自分として存在すること」は、当たり前と思っているかもしれません。
しかし私は、多くの方々から学び、自分でも長年探究してきた結果、確信を持って言えることがあります。
「自分が自分である」とは、決して当たり前ではありません。
「自分が自分であること」は紛れもない「奇跡」であり、「かけがえのないもの」であり、「貴重」なのです。
なぜそう言えるのか?
その答えを、何回かにわたってわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
そのためにはまず、私たち人間とは相対関係にある機械やAIについて知っていきましょう。
機械・コンピューター・AI の特徴
ご存知のとおり、機械・コンピューター・AIは、私たち人間の能力をはるかに超えはじめています。
- 計算
- データを集める
- 分析
は当たり前。
今では、
- 複雑な問題に最適な解を出す
- 自動的に画像を修復する
- 自動的に最適な商品を提案する
こともできます。
さらに、「AI」と「ロボティクス技術」と組み合わせることで、
- ドローン
- 自動運転
- 自動配送
も可能に。
戦闘機のエースパイロットですら、シミュレーターでは、AI搭載の戦闘機に全戦全敗だそうです。
私たち人間は、「能力」「精度」「スピード」「体力」の面で、機会やAIに勝つことは困難です。多くの作業や仕事は、それらの方が圧倒的に得意になってきました。
私は、機械・コンピューター・AIの最大の特徴は、「増殖できる」「コピーできる」ことだと考えています。
優れた機械ができれば、それを大量生産できます。
優れたAIができれば、世界中からネットワークでアクセスして使用できるのです。
[ポイント]機械・コンピューター・AIの最大の特徴は、「増殖」「コピー」です。
人間の存在意義
では、人間の存在意義はどうなるのでしょうか?
私たちは、一人ひとりが違う人間として生まれていますね。
- 親
- 環境
- 育てられ方
- 受けてきた教育
- 住環境
- 国の文化
- 使う言語
- 宗教観
などによって、それぞれが全く違う人として成長していきます。
つまり私たちは、生まれつきユニーク(唯一無二)な存在です。
そしてユニークであることによって、貴重であり、かけがえが無いという意味が生まれます。
同時に自分の存在は、大切な誰かにとってかけがえのない存在ともなります。
親にとっての子どもも、子どもにとっての親も、お互いにとってかけがえのない存在ですし、ご縁があって深くつきあう友人、仕事の仲間、メンターの方々もそうです。
そしてかけがえのない存在だからこそ、命は尊い貴重なものです。
私たち人間は、一人ひとりが唯一無二の存在である。
だからこそ、存在自体が尊く、貴重。
これが、機械・コンピューター・AIとは決定的に異なることです。
[ポイント]人間は、一人ひとりが唯一無二の存在。存在自体が尊く貴重。これこそが、AIとの違いです。
今こそ、「私が私である」を自覚しよう
これからのAI時代は、「私が私であること」がとても貴重で重要になっていきます。
私が私であることを自覚して生きていかなければなりません。
言い換えれば、「自分が自分であることを当たり前と思わない」ということです。
もし今までの社会通念で生き続けるなら、機械・コンピューター・AIに仕事を奪われ、自分の存在価値も感じられなくなり、ストレスが増え、精神的にも経済的にも、徐々に追い詰められていくことになるでしょう。
では、「私が私である」とは、具体的にどういうことでしょうか?